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がんの診断と治療


がん診断

当センターでは320列CTや3テスラMRI装置、核医学検査、各種内視鏡を駆使して、がんの診断や詳細な範囲診断、病期診断にあたっています。

診断機器

320列CT撮影装置

3テスラMRI


アンギオ(血管撮影装置)

マンモグラフィ


乳腺バイオプシー



がん治療

当センターでは、各種がんの特性や進展度と宿主の状態を考慮して、三大治療(手術、化学療法、放射線治療)を中心に、多角的、集学的に治療を行っています。

がん診療企画(集学的治療の提供体制及び標準的治療などの提供)

手術

全22室の中央手術室で、各領域のがん治療のエキスパートが治療にあたっています。


低侵襲治療(内視鏡、胸腔鏡、腹腔鏡)

臓器が温存される内視鏡治療や、傷跡が小さく体への負担や術後の苦痛の少ない胸腔鏡や腹腔鏡による低侵襲治療を積極的に実施しています。

ロボット手術

平成24年に前立腺全摘出術に対する保険診療が認められ、より精緻な手術、患者さんの負担軽減など、その有用性が明らかとなっています。現在では、腎がんに対する腎部分切除術も保険診療が認められおり、今後、他の疾患への保険適応も期待されています。


放射線治療

腫瘍部分に対して高エネルギー放射線を集中的に照射して治療する技術です。当センターは、高性能な2台の放射線治療装置を備えており、専門の医師、看護師、放射線治療専門技師、医学物理士などのスタッフが従事して治療にあたっています。

治療方法ならびにQ&Aはコチラ


化学療法

入院、あるいは通院治療センターにて、主に標準的な化学療法を各種ガイドラインにのっとり実施しています。

標準治療から外れる場合は、がん化学療法委員会、院内倫理委員会の承認のもとに実施します。


キャンサーボード

がんの診断・治療について単一科の医師だけでなく、がん医療に携わる専門職が職種を越えて集まり、患者さんの症状・状態を把握し、治療方針などを検討する場がキャンサーボードです。当センターでは臓器別キャンサーボードを定期的に開催しております。


脳神経系

脳腫瘍

良性脳腫瘍は、周囲の神経損傷をできるだけ少なくし全摘出を目指します。
悪性脳腫瘍は、可及的に腫瘍細胞を取り除き、放射線療法、化学療法を併用します。
画像支援ナビゲーション手術を実施しており、病変部を切除する精度を高め、安全性の向上に努めています。

消化器系

消化管がんの診断は消化器内視鏡検査にてなされています。
ハイビジョン内視鏡を用いたNBI拡大観察にて詳細に範囲診断/深達度診断を施行し、深達度、転移の有無に一般状態を加味して治療方針が決定されます。
通常早期がんは内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が選択されることが多いです。

①食道がん

粘膜内がんはESDが選択されます。
粘膜下層以深に深達し、切除可能なものは術前化学療法施行後、鏡視下手術を施行します。周囲臓器に浸潤する場合は放射線化学療法を選択します。この場合でも、腫瘍縮小後外科的切除術を施行することがあります。
遠隔転移が認められる場合は、主に化学療法を実施します。食道がんによる閉塞に対しては、症状緩和のため食道ステントを留置することがあります。

②胃がん

粘膜内~粘膜下層浅層がんはESDが選択されます。
粘膜下層深層以深に深達し、切除可能なものは鏡視下手術を施行します。
遠隔転移が認められる場合は、主に化学療法を実施します。
胃十二指腸がんによる閉塞に対しては、症状緩和のため胃十二指腸ステントを留置することがあります。

③大腸がん

粘膜内~粘膜下層浅層がんはESDが選択されます。
粘膜下層深層以深に深達し、切除可能なものは鏡視下手術を施行します。
遠隔転移が認められる場合は、転移病変が切除可能であれば大腸がんと共に転移病変も切除します。
転移病変の切除が困難であれば、主に化学療法を実施します。
この場合でも、化学療法により転移病変が切除可能となれば、転移病変を切除することがあります。
大腸がんによる閉塞に対しては、症状緩和のため大腸ステントを留置することがあります。

④肝臓がん

腫瘍進展度と肝予備能とを評価し、ガイドラインに沿って治療しています。
肝予備能が保たれている場合、外科的切除(含腹腔鏡下手術)、肝動脈化学塞栓療法、ラジオ波焼灼療法などを単独、あるいは適宜組み合わせて実施します。
腫瘍進展が高度の場合、内服療法を実施します。

⑤膵臓がん/胆管がん

可能な限り外科的切除を目指します。
外科的完全切除が困難な場合、化学療法、放射線化学療法などを実施します。
併存する閉塞性黄疸に対しては内視鏡的ドレナージ術を実施します。

呼吸器系

①肺がん

肺がんに対しては、呼吸器内科と呼吸器外科、放射線治療科などが連携し集学的治療に取り組んでいます。症例の約80%を占める非小細胞がんは切除可能な場合は、低侵襲の胸腔鏡下手術を積極的に選択し、手術を施行します。症例の約20%を占める小細胞がんは、ごく一部の早期がんを除き手術の対象とはならず主に化学療法・放射線治療を実施します。
また、一部の進行がんに対して、化学療法・放射線治療を実施した後、手術による切除を積極的に行っています。

泌尿器系

①前立腺がん

転移がなく前立腺にがんが限局している場合には、局所的治療(手術・放射線など)、転移が明らかな場合には、全身的治療(ホルモン療法や化学療法など)を行うのが一般的ですが、患者さんの年齢や合併症の有無などにより最適な治療を選択していくことになります。なお、非常におとなしいがんの場合は、治療せず経過観察する場合もあります。

②腎がん

腎がんは抗がん剤治療や放射線治療の効果が期待できず、手術での摘出が治療の基本となります。摘出不可能な病変に対しては分子標的薬治療や免疫療法を用いることで予後の延長が期待できます。

婦人科系

①子宮がん

子宮がんに対する治療は、原則として日本婦人科腫瘍学会が作成する子宮頸がん治療ガイドラインの推奨する治療方法を採用しています。患者さんから何らかのご要望があれば、可能な限り受け入れるように心がけています。

②卵巣がん

卵巣がんに対する治療は、原則として日本婦人科腫瘍学会が作成する卵巣がん治療ガイドラインの推奨する治療方法を採用しています。患者さんから何らかのご要望があれば、可能な限り受け入れるように心がけています。

乳腺

①乳がん

乳がんに対する治療は、3つの柱(手術・薬物療法・放射線治療)からなります。それぞれ最先端の治療を心がけ、個々の乳がん患者さんに最適の治療をキャンサーボードで検討し提供しています。

頭頸部がん (耳鼻咽喉・口腔・甲状腺)

頭頸部には様々ながんが生じ、それらを総称して「頭頸部がん」と呼びます。口腔がん(舌がん、頬粘膜がん、歯肉がん、口腔底がんなど)、上咽頭がん、中咽頭がん(扁桃がん、舌根がんなど)、下咽頭がん、頸部食道がん、甲状腺がん、聴器がん(外耳がん、中耳がん)、唾液腺がん(耳下腺がん、顎下腺がん、舌下腺がん)、鼻・副鼻腔がんなどが含まれます。
頭頸部がんは、視診・触診に加えて、拡大内視鏡検査、細胞検査、組織検査を行って診断します。さらに、必要に応じて超音波エコー検査、CT、MRI、PET、上部消化管内視鏡などの検査を追加して病気の進行具合を判断します。
頭頸部がんの根治的治療は、手術と放射線療法を柱とし、化学療法を補助的に用いて行います。頭頸部がんはしばしば頸部のリンパ節に転移するため、原発巣のみならず、頸部リンパ節に対する治療(頸部郭清術や頸部への放射線照射)が必要です。
手術においては、手術用顕微鏡や拡大内視鏡下の経鼻的手術や経口的手術によって、傷を小さくする工夫を行っています。一方で、顔面深部、副咽頭間隙、頭蓋底、縦隔などに進展した腫瘍の手術にも対応しており、根治性を追求した拡大切除、組織移植による欠損再建術を行っています。当科では、形成外科(再建外科)と合同カンファレンスを行い、最適な再建法を選択しています。
放射線治療においては、強度変調放射線治療(IMRT)による、オーダーメイド治療を行い、高い治療精度と、有害事象の軽減を両立させています。進行したがんに対しては、抗がん剤を併用した化学放射線療法を行い根治性を向上させています。当科では、放射線治療科と合同カンファレンスを行い、原発巣と頸部リンパ節転移のそれぞれについて、最適な治療法を選択しています。

①口腔がん

通常は手術を行います。早期のがんでは、経口的に病巣を切除します。進行したがんでは、がんの切除後に、組織移植による再建手術が必要な場合があります。

②咽頭がん

上咽頭がんに対しては通常は放射線治療を行います。
中咽頭がん、下咽頭がんに対しては、手術もしくは放射線治療を行います。早期のがんにおいては経口的切除が可能な場合が多くあります。進行したがんに対しては、根治的切除ののち組織移植による再建手術を行います。

③喉頭がん

手術もしくは放射線治療を行います。
早期がんに対しては、放射線治療もしくは顕微鏡下経口手術を行っています。進行したがんに対しては、手術もしくは化学放射線療法を行っています。進行したがんに対する標準術式は喉頭全摘術ですが、根治性と、術後の嚥下機能が両立できる場合には喉頭部分切除などの音声温存手術も可能です。

④唾液腺がん

通常は手術を行います。早期がんでは、術前診断が難しいことがあり、術後にがんであることが判明することがあります。進行したがんでは、顔面神経や舌下神経などに浸潤していることも多くあります。そのため、手術の際に、神経を含めた再建手術が必要な場合があります。

⑤鼻・副鼻腔がん

早期がんに対しては手術を行います。進行したがんに対しては、手術もしくは放射線と化学療法を併用した治療を行っています。顔貌に関わる部位のがんであるため、根治性と整容性の両立が困難な場合があります。

⑥甲状腺がん

甲状腺がんは放射線治療が効きにくいがんであるため、通常は手術を行います。腫瘍の悪性度や進展範囲によって、甲状腺を全摘する場合と、一部を温存する場合があります。
甲状腺がんの一部には悪性度が高く広範な浸潤を認めるものがあります。反回神経、気管、喉頭、食道などへの浸潤や、縦隔リンパ節や副咽頭間隙リンパ節への転移がある場合でも、病巣の根治切除が可能であれば手術を行います。その際、顕微鏡下神経再建術や、組織移植による食道再建術を行うこともあります。
特に悪性度が高い場合には、術後に放射性ヨウ素内服両方を追加することがあります。低線量放射線ヨウ素内服治療の場合、当センターでの外来通院加療が可能です。高線量の入院加療が必要な場合には、対応可能な病院に紹介させていただきます。

血液系

①急性骨髄性白血病

JALSG(日本成人白血病血球グループ)による共通プロトコールに準じた治療を行っていますが、急性前骨髄性白血病(APL)に対してはスペインのPETHEMAグループによるAIDA療法(トランス型レチノイン酸+イダマイシン)を行っており、いずれも80%以上の完全寛解率が出ています。予後不良群の第一寛解期や再発後第二寛解期のこの疾患群では、積極的に同種造血幹細胞移植を行っています。

②急性リンパ性白血病

アメリカのMDアンダーソンがんセンターが開発したhyperCVAD/HD-MTX/AraC療法を行っており。寛解導入率は80%を超えています。予後不良群に対しては、第一寛解期より同種造血幹細胞移植を行っています。一方 予後良好群に対しては、小児科のプロトコール(JACLS)を行い治癒を目指しています。

③悪性リンパ腫

CHOP療法を基本としますが、CD20陽性のB細胞リンパ湯に対しては、抗CD20抗体であるリツキサンを加えたR-CHOPを標準療法としています。また、進行例に対しては寛解導入後、自己末梢血幹細胞移植を行っています。再発・難治例に対しては、中等度以上の悪性群には、ESHAP、CHASE、DeVIC療法を、低悪性度群ではリツキシマブ+ベンダムスチンにより救済療法を行い、条件が整えば同種移植を行っています。

④多発性骨髄腫

従来のボルテゾミブ+デキサメタゾン療法(BD療法)にエンドキサンを加えたCyBorD療法にてより深い寛解導入を図ります。また、65歳以下の患者さんでは、自己末梢血幹細胞移植を行っています。また、再発・難治例には、サリドマイドの誘導体であるレナリドマイドやポマリドマイドやHDAC阻害剤を積極的に投与しています。

小児がん

かつては予後不良といわれた小児がんも、全国的な治療研究により大幅に予後が改善しています。当センターでもJCCG(日本小児がん研究グループ)による、全国統一の様々な臨床試験に参加し、治療を行っています。

①白血病・リンパ腫

急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫など、それぞれ全国統一の臨床試験に参加して化学療法を行い、必要に応じて造血幹細胞移植を行っています。

②脳腫瘍

さまざまな小児脳腫瘍に対して、化学療法、手術療法、放射線療法を組み合わせた集学的治療を行っています。

③固形腫瘍

神経芽腫、腎芽腫、横紋筋肉腫などのまれな小児固形腫瘍の臨床試験に参加し、化学療法、手術療法、放射線療法、自家末梢血幹細胞移植を組み合わせた適切な治療を行っています。