日本赤十字社和歌山医療センター
お問合せ先:放射線科部(担当 井澤・川嶋)
073-422-4171(内線 2000)
複数のスライスが同時に撮影できるという特徴から、マルチスライスCTと呼ばれている。
人間の体を立方体の集合ととらえ、3次元情報(ボクセルデータ)を収集し画像処理を行うエックス線CTである。
マルチスライスCTは、従来の水平断画像のみではなく、好みの断面を画像表示し診断することが出来、また、各種臓器の3D画像で病変を3次元的に把握することが可能である。
現在マルチスライスCTは、2列から64列まであり、一般的に列数が多いほど検査速度が高速で、心臓など動きのある臓器の検査に有効である。
本センターでは、和歌山県で初めて、最新鋭の64列マルチスライスCTを導入した。
●従来の装置と比べ何が出来るの?
心・血管に関して心電図同期と造影剤(約50cc)を注射するだけで、カテーテル検査を行わずに冠動脈(心臓の栄養血管)の描出や心機能評価を比較的簡単に出来る。
全身(頭頂から足先)の撮影が約20秒で行えるため、造影剤の注射1本で全身の動脈血管を描出することが可能。これは、冠動脈のバイパス術や解離性動脈瘤の術前・術後評価などを低侵襲で容易に行えることを意味する(図1、図2)。
●図1 冠状動脈バイパス術後
●図2 全身の血管(動脈)
スクリーニングと精査が同時に行える。
例えば、肺のスクリーニング検査を行い、何か病変が見つかると、その部分だけ細かく(1mm程度で)水平断や冠状断あるいは矢状断の画像処理を行うことにより、再検査(同部位の重複被ばくが無い)することなく精査の画像を得ることが出来る(図3)。整形外科領域においては、脊椎や関節の鮮明な3D画像の構築ができ、様々な画像処理を行うことにより、病変の検出や隣接構造との3次元的位置関係の把握が容易となる。
本センターでは、地域の皆様に、最新の最高の医療を提供できるものと確信している。
●図3 肺(冠状断)
●図4 肺(矢状断)